SKハイニックスがオンデバイスAI向けの次世代メモリー「3D積層DRAM」の開発に乗り出し、すでに米国の顧客企業1社と共同開発の提携を結んでいると、半導体アナリストのジュカンが伝える。業界関係者によると、SKハイニックスは米サンノゼの現地法人を通じて3D積層DRAM・オン・ロジックの設計エンジニアを募集中で、この分野の専門人材採用は今回が初めてだという。従来のPoP(パッケージ・オン・パッケージ)方式のようにメモリーとロジックチップを並べて配置するのではなく、メモリーをロジックチップの真上に垂直に積み上げる構造で、チップ間の距離を縮め、同じ面積でより多くのデータ経路(I/O)を確保し、遅延と消費電力を抑えられるとしている。オンデバイスAIはAIモデルをクラウドではなくスマートフォンなどの端末内で直接動かす方式で、この技術が使われるモバイルアプリケーションプロセッサ(AP)分野はアップルとクアルコムが主導している。SKハイニックスの最高開発責任者は4月、NVIDIAのAIチップに搭載されるHBM(広帯域メモリ)にとどまらず、広帯域フラッシュ(HBF)や3D積層DRAM・オン・ロジックまで幅広いAIワークロードに対応する製品を出す考えを示していた。ジュカンは非公開の米パートナー企業をアップルと推測しているが、これは未確認の個人的な見立てであり、スマートフォンに128GB級のLPDDRを搭載しない限り、こうした技術的ブレークスルーなしにオンデバイスAIの普及はまだ遠いと付け加えた。
Why it matters · SKハイニックスの3D積層メモリーへの賭けが実れば、HBMとNVIDIAのデータセンターにとどまっていたAIメモリー支配力がスマートフォンやエッジ機器にまで広がることになり、対象市場そのものが大きく膨らむ。製品化前から米顧客を確保しているという事実は、オンデバイスAI向けハードウェアを本気で準備している企業がどこかを示すシグナルでもある。
考えるべき点 · SKハイニックスは米パートナー企業名を公表しておらず、ジュカンが挙げたアップルもまだ確認されていない。もし実際にアップルだった場合、投資家がSKハイニックスの非HBM事業を見る目は大きく変わるだろうか、それともまだ初期段階で株価にはさほど影響しないだろうか。