Inventory levels for key products have generally fallen to 30 days or less.
Distributors that had built inventories in advance have raised prices by an average of 20–25%, while spot-market prices have climbed to two to three times their previous levels.
爪より小さいこの部品はコンデンサと呼ばれる。 回路の中で電気をわずかにため込み、また流し出すことで電源を安定させる。 サーバー基板1枚にも数千個埋め込まれており、 セラミックを何層にも重ねて作るタイプをMLCCと呼ぶ。 AIサーバーは消費電力が大きくノイズに敏感なため、 普通のPCよりずっと多く、より良いMLCCを必要とする。
Jukan氏が引用したTrendForceの調査によると、 6月の1カ月で村田製作所・サムスン電機・太陽誘電のMLCC出荷量が5年ぶりの最高値をつけた。 AI需要がこの3社の生産ラインを押し上げた結果だ。
2018年、史上最悪のMLCC不足が起きたときのピークは1.25だった。今は3社ともその線を超えるか並んでいる。「5年ぶりの最高値」という主張はデータでも裏付けられる。
2026-07-06・TrendForce
AI向け高性能MLCC需要、日韓サプライヤーの受注残率をコロナ後最高水準に押し上げ (TrendForce、2026-07-06)値段も一緒に跳ねた。 あらかじめ在庫を積んでいた流通業者は価格を20〜25%引き上げ、 現物市場価格は最大3倍にまで上がった。 主要製品の在庫は30日分以下に減った。
原因は需要そのものではなく、配分にある。 村田製作所・サムスン電機・太陽誘電は、一般消費者向け(X5R)ラインを、 AIサーバー向けの高スペック品(X6S・X7R)へ急いで切り替えている。 工場は一夜で生産量を倍にはできないので、 片方を増やせばもう片方が減る。 実際に足りなくなっているのは、家電や自動車向けの中容量コンデンサ(1〜22マイクロファラド)のほうだ。
Jukan氏の投稿には出てこない部分だ。 3社がAI向けに軸足を移す中、 空いた消費者向け注文を台湾の華新科技(Yageo)と華新(Walsin Technology)が引き受けている。
AIサーバーがMLCC共食いの波を引き起こす、台湾勢が漁夫の利 (BigGo Finance、2026-07-06)上位3社の品薄が、台湾の小規模メーカーには注文が集中する好機になっている構図だ。 2018年のMLCC不足でも同じ構図で台湾勢がシェアを伸ばした。
問いは結局一つに絞られる。 今回の不足がAIサーバーブームに乗って数四半期続く構造的なボトルネックなのか、 それとも在庫を積み直せば解ける一時的なもつれなのか。 村田製作所・サムスン電機・太陽誘電の受注残率が第3・第4四半期も1.25を上回ったままなら、構造的な読みが残る。 30日を割った在庫が年内に正常水準へ戻れば、これは壁ではなくもつれだったことになる。 メモリー半導体の値段が上下する裏で、 はるかに小さく安い部品がAIハードウェアの生産ペースを静かに握っている。
採点待ち第3・第4四半期も村田製作所・サムスン電機・太陽誘電の受注残率が1.25を上回るか、30日を割った在庫が年内に正常水準へ戻るかで採点する。