コベイシ・レターがThe Informationの報道を伝える。アルファベットが「フローズン(frozen)チップ」と呼ばれる新型サーバー用チップを準備しているという。毎回汎用ハードにAIモデルを載せる代わりに、この設計は自社ジェミニ・モデルの設計図をシリコンに直接焼き込む。モデルを回路に「凍結」して固定すると、普段は速度を落とすデータのやり取りが大幅に減り、同じ回答をはるかに少ない電力とハードで出せる。アルファベットの技術者は、このチップが既存のAIチップ(TPU)の最新版より6~10倍効率的になりうると見積もっていると伝えられる。難点は柔軟性だ。フローズン・チップは一つのモデルを動かすには速いが、モデルが変わると転用が難しい。つまりジェミニの中核が、専用シリコンの費用を回収できるほど長く安定するという賭けである。大きな構図はこうだ。もう一つの巨人が、エヌビディアから買い増すのではなく自前のチップ設計へ深く踏み込んでいる。グーグルがクエリ当たりのAIコストを大きく下げられるなら、最も価値あるAI企業は同時にチップ企業でもある、という論理は勢いを増し、アクセラレーターを全て市販品で揃える代わりに代替を静かに築く顧客がもう一社加わる。
Why it matters · フローズン・チップがジェミニの提供コストを6~10倍下げるなら、アルファベットはモデル効率を持続的なコストの堀に変え、エヌビディア依存を薄める。
考えるべき点 · 専用の「フローズン」チップはモデル保有企業に持続的な優位を与えるのか、それともモデルが変わり続ける中で一つのモデルをシリコンに固めるのはすぐ陳腐化するのか?