半導体分析会社セミアナリシスが、AMDがエヌビディアのソフトウェア優位に対抗できる可能性についての評価を、最初の批判的レポートでの0%から、残る2つのリスクを克服すれば有力な成功の可能性があるへと引き上げた。Advancing AI 2026で発表された新型アクセラレータMI455Xを分析したところ、データセンター向けチップとしては初めてTSMCの2ナノメートル(N2)プロセスを採用し、HBM4メモリを12段積みでパッケージあたり432ギガバイトを搭載する。これはエヌビディアやグーグルが使う8段積み・288ギガバイトを上回る。アンソロピックはAMDチップを2ギガワット規模で導入すると表明し、品質問題で一度AMDを見限ったマイクロソフトも方針を転換し、新型Heliosラックを採用する。エンドユーザーはオープンAIになるとみられる。一方セミアナリシスは2つのリスクを指摘した。一つはバックプレーン設計の信頼性問題によるラック量産の立ち上がりの遅さ、もう一つは社内のソフトウェア開発・自動テスト用GPUクラスターの慢性的な不足で、エヌビディアのCUDAに対する自動テスト合格率で遅れが生じている点だ。当初今回のイベントまでに間に合わせるはずだったテスト環境の目標は10月に後ろ倒しされた。AMDはセレブラスと提携し、応答速度を高める分散型推論(PDディスアグリゲーション)技術も発表した。メタは縮小版のMI455を発注しておりAMDにとって不利だが、セミアナリシスの指摘後、メタもインフラ戦略の見直しを始めたと伝えられる。
Why it matters · これまでAMDに厳しい評価を下してきた分析機関が姿勢を変えたこと自体がシグナルだ。ただ生産の立ち上がりと社内テスト基盤という実行面のリスクが残っており、本当の勝負はスペックではなく実行力にかかっている。
考えるべき点 · AMDに厳しかったセミアナリシスが、エヌビディアのCUDAの牙城に対する勝算を有力と評価を変えた。生産の立ち上がりや社内テストのリスクも同時に指摘されている。AMDは今回こそソフトウェアの差を埋められると思うか、それとも実行段階でまたつまずくと見るか。