米国が2028年から需要主導の天然ガス不足に陥り、2030年までに稼働可能な貯蔵量が枯渇しかねないとの警告が、広く読まれるエネルギーレターから出た。 投資会社クロノミーター・パートナーズを率いるマシュー・スミス氏が最近の書簡でこの見通しを示し、エネルギーニュースレターのドゥームバーグがこれを紹介し、自らの評価を加えた。 天然ガスは各家庭のボイラーやガスコンロで燃やされる、まさにあの燃料であり、米国の発電で最も多く使われる燃料でもある。 米国のシェールガス生産量はここ15年で2倍以上に増え、日量1000億立方フィート(bcf/d)を超えた。 スミス氏もこの生産増加自体は否定していない。
氏が注目するのは別の点だ。 AIデータセンターが使う電力の多くは、結局のところガス火力発電所から来る。 データセンターの拡大速度がガス生産の拡大速度を上回り続ければ、供給が需要に追いつかなくなる時点が来る。 スミス氏はその転換点を2028年と見て、この傾向が続けば2030年には貯蔵量が底をつきかねないとした。 ドゥームバーグはこれまで「米国はまもなくガス切れになる」という警告に懐疑的だった媒体だ。 安値が続いても止まらずに増え続けてきたシェールガス生産の歴史を根拠にしてきた。 そのドゥームバーグでさえ今回の書簡には「同意できる点が多く、疑わしい点は少数」と評価した。 ただし具体的にどの点が疑わしいのかは、有料購読者向けにのみ公開されている。
今すぐ在庫が不足しているわけではない。スミス氏の警告は今日の在庫ではなく、2028年以降に需要の伸びが生産を上回る時点を指している。
2026-07-23・EIA週間天然ガス在庫報告(7月17日時点)
Why it matters · AIデータセンターの拡大に合わせて需要主導のガス不足が現実になれば、半導体や電力に続く新たなボトルネックとコスト要因が生まれ、ガス生産企業には追い風に、ハイパースケーラーには電力コスト圧迫になりかねない。
考えるべき点 · 2028年の天然ガス不足は、AI設備投資の新たなボトルネックになるのか、それともこれまで何度も外れてきた「もうすぐ枯渇する」警告の最新版に過ぎないのか。