きょうの東京株式市場ではキオクシア株の急落が注目を集めました。
先週から株安が強まっていましたが、きょうはそこからさらにストップ安(制限値幅の下限)の10000円安(18%安)の44550円にまで下落し、売り注文を残したまま取引を終えました。
わずか1ヶ月前につけた最高値から60%あまり値下がりしました。
キオクシア株が28日、再びストップ安となり44,550円まで下落した。 前日比18%安で、1カ月前につけた高値から60%あまり下回る水準だ。 同日、サムスン電子は13.4%安、SKハイニックスは14.7%安となり、 コスピも一時11%超下げ、韓国では今年8回目のサーキットブレーカーが発動した。
市場が挙げる理由は二つだ。 AIメモリー相場が過熱していたのではという疑念が強まったことと、 中国CXMTがDRAM増産を加速させているとの報道が サムスン電子とSKハイニックスのシェア低下懸念を呼び戻したことだ。 韓国の金融当局は、個人投資家がレバレッジETFに殺到する動きに対し 規制強化まで検討していると伝えられている。
ここまでは半導体セクター全体の話だ。 だがキオクシアの下げ幅がサムスン電子・SKハイニックスを上回ったのには、 この会社固有の理由がもう一つある。 キオクシアは東芝から分離したNAND型フラッシュメモリーメーカーだ。 NANDはスマホの写真やノートPCのファイルを保存する半導体で、 電源を切っても中身が消えない。
7月16日、米テキサス州西部地区連邦地裁の陪審は、 キオクシアが衛星通信会社ビアサット(Viasat)の特許を侵害したと評決し、 約2億2800万ドルの支払いを命じた。 消費電力を抑えながらNANDの寿命と信頼性を高める 誤り訂正技術に関する特許だった。 キオクシアは「到底受け入れられない」として控訴する方針を示した。
評決の翌日である17日、キオクシア株は16.1%下落し、 すでに一度ストップ安に近い5万2110円まで沈んでいた。 今回の下落は同じ銘柄が10日足らずで見舞われた二度目の急落だ。
逆説はここにある。 キオクシアは30日に決算発表を控えているが、ガイダンス自体は悪くない。 前四半期の売上高は初めて1兆円を突破し、売上総利益率は66%、 フリーキャッシュフローは2410億円を上回った。 今期のガイダンスは売上高1兆7500億円(前期比74.5%増)、 営業利益1兆3000億円、純利益8700億円だ。
半導体株全体が調整している局面で、キオクシアもその流れに巻き込まれただけだ。業績さえ守れればすぐ戻る。
同じセクターの中でもキオクシアだけがより深く沈んだ。業績とは無関係な特許賠償金と控訴リスクが、この一社にだけ余分に乗っている。
どちらの読みも同じ下げ幅を見ているが、 その下げが業種全体の天候なのか、 キオクシアだけが背負う荷物がもう一つあるのかで割れている。
結局、問いは一つに絞られる。 今回の急落が業種全体の調整にすぎないのか、 キオクシア固有の訴訟リスクが上乗せされたのかだ。 30日の決算がガイダンス通りに出て、サムスン電子とSKハイニックスも揃って戻せば セクター調整の読みが残る。キオクシアだけ戻りが遅ければ、特許リスクがまだ重いということになる。 控訴の判決か和解、どちらが先に動くかが、 その特許の重みを測る最初の合図になる。
採点待ち7月30日のキオクシアの決算がガイダンス(売上高1兆7500億円)通りか、サムスン電子・SKハイニックスと共に反発するか、ビアサット特許訴訟の控訴判決や和解がいつ出るかで採点する。