アンソロピックが、エヌビディアの出資を受けた設立数カ月のインフラ新興ボルタと、計算能力をめぐる100億ドル規模の契約を結んだ。
契約期間は6年で、データセンターを運営するビットコイン採掘企業ビットディア・テクノロジーズとの協業で履行される。
アンソロピックが6年間で100億ドル分の計算能力を買うと決めた相手は、今年立ち上がったばかりの会社だ。
AIクラウド新興ボルタ、企業価値24億ドルで100億ドル規模のAI提携を発表 (ロイター/ヤフーファイナンス, 2026-08-04)ロイターは、この会社ボルタ・インフラが設立7カ月で、シードとシリーズAを合わせて3億ドルを調達し企業価値24億ドルと評価されたと伝えている。 契約と資金調達は同じ日に発表された。 エヌビディアとアンドリーセン・ホロウィッツ、アルティメーター、資産運用会社アゾラが出資者として名を連ねる。 先に報じたのはブルームバーグで、ロイターは契約条件を独自に確認できなかったと記している。
資金は先頭から出るのに、電気と建物を実際に持っているのは末端だ。中間の会社は両者をつなぐ契約を握っている。
ビットディアはビットコイン採掘から始まった会社だ。 採掘場は安い電気と冷却を必要とするのでノルウェーのような場所に構えるが、AIの学習が求める条件も同じ二つだ。 採掘機材をグラフィックス処理装置に置き換える転換が業界でありふれてきた理由がここにある。
ビットディア、ノルウェー・ティダルのキャンパスで47億ドル・16年のAI/HPCデータセンター賃貸借契約を発表 (グローブニュースワイヤー プレスリリース, 2026-08-04)売上が終わった後も賃料を払い続ける区間が残るという意味だ。ただし10年目に違約金なしで抜けられる条項が付いている。
2026-08-04 取得 · ビットディアのプレスリリースおよびブルームバーグ引用報道
賃貸借の条件はビットディア自身のプレスリリースに並んでいる。 賃借人はボルタ・ティダルASで、基本期間の賃料合計は47億ドルだ。 8年の延長オプションを使い切れば24年で80億ドルになる。 電力は121メガワットが実際のサーバー用で、総容量133メガワットが後ろを支える。 単価はキロワットあたり月202ドル前後で、毎年3%ずつ上がる。 キャンパスの所有権はビットディアが持ち続ける。 残る建設費5億ドルもビットディアが手当てする。
電気をどこからいくらで得るかが、この契約の背骨だ。 ノルウェーは水力の比率が高く電気が安くて炭素が少なく、涼しい気候が冷却費を下げる。 ビットディアの最高財務責任者は、エヌビディアの最新チップと炭素を出さない電気を組み合わせたことが今回の要点だと述べている。 米国内でこれだけの電力を新たにつなぐには、送電網の接続順を何年も待つことが多い。 その待ち行列を飛び越す対価が、欧州へ出る費用だ。
第一段階の引き渡し目標は2026年12月31日、第二段階は2027年3月31日だ。 計算能力を売る契約はすでに署名済みだが、その能力が実際に存在する日付はまだ先にある。 市場はこの構造で最も確かなところを先に選んだ。 電気と建物を持つビットディアの株価は発表当日に一時大きく上げ、7.8%高で終えた。 契約を取ったボルタは上場しておらず、値がつかない。 アンソロピックにとっては、特定のクラウド一社に縛られない経路をもう一本得たことになる。 代わりにその経路の中間には運用実績のない会社が立っており、そこが揺らげば電気と建物はビットディアに残るが、契約は再び交渉の対象になる。
2026-08-04 取得 · 契約条件はビットディアの2026-08-04プレスリリース基準 · ボルタ関連の数値は同日のロイター報道基準 · 株価は2026-08-04終値基準