コールドカード財布への攻撃で、1,200を超えるアドレスから最大8,900万ドル相当のビットコインが流出した
7月30日から4日間で、4,585のビットコインアドレスから1,367 BTC、およそ8,900万ドル分が流出した。 財布を物理的に奪われたわけでも、パスワードが漏れたわけでもない。
原因は2021年3月に配布されたコールドカードのファームウェア一つだった。
コールドカードのファームウェアがシードフレーズ生成の一部をハードウェア乱数ではなくソフトウェア乱数に回す
第1波、41分で1,196アドレスから1,083 BTCが流出する
第3波まで確認され、累計4,585アドレス・1,367 BTCとなる
一部の保有者がセルフカストディの資金を取引所へ戻す
鍵が弱く作られた時点と、その鍵が開かれた時点のあいだが5年ある。その間、機器を使っていた人が気づける合図はなかった。
2026-08-04照会 · コインデスク(ギャラクシー・リサーチの追跡) · IG
ハードウェアウォレットは、インターネットにつながないことを安全装置にしている。 鍵が機器の外に出ないのだから、誰かが持ち去る経路はない、という理屈だ。 その理屈は、鍵が最初に誰にも見当のつかない方法で作られたときにだけ成り立つ。 財布の鍵はシードフレーズと呼ばれる単語の束から出てきて、その単語の束は機器内の乱数生成器が引く。 コールドカードMk2とMk3の一部に入った2021年3月のファームウェアは、この工程の一部を専用のハードウェア乱数ではなくソフトウェア乱数で処理していた。 そうなると、出てきうる鍵の通り数が一気に減る。 攻撃者は機器に触れる必要がない。自分の計算機でその通り数をすべて作っておき、どのアドレスに資金があるかを照合すればよい。 インターネットにつながないという守りは、ここでは何の働きもしない。
原文が引いた記事の見出しはアドレス1,200件が基準だ。 ギャラクシー・リサーチが三つの波をすべて数えた時点で、その数は4,585件だった。 数より大事なのは、欠陥が残る仕組みのほうだ。 ファームウェアは直せるが、そのファームウェアですでに作られたシードフレーズはそのまま残る。 だから問題の機器を使っていた人は更新だけでは安全にならず、新しい財布を作って資金を移す必要がある。 5年という時差が生まれた理由はここにある。
ピーター・シフは長年のビットコイン懐疑論者であり、地金販売会社を営んでいる。 彼がこの記事を引いた文脈は、その分を織り込んで読むほうがよい。 同じ出来事を扱ったIGの整理は別の場所を指す。 セキュリティ研究者は、今回の件をセルフカストディが取引所保管より本質的に危険だという証拠とは読んでいない。 二つはそもそも別の種類の危険だ。セルフカストディはファームウェアの欠陥と利用者の誤りを抱え、取引所保管は破綻と出金停止を抱える。
だから今回の件で分かれるのは、セルフカストディか取引所かではない。 自分の鍵がいつ、どのソフトウェアで作られたかを確かめられるかどうかだ。 確かめられない鍵は、どれだけ回線から離してあってもすでに公開されているのと変わらない。
2026-08-04照会 · アドレス数と流出量は、ギャラクシー・リサーチが第3波まで集計した2026-08-01時点の値だ。ドル換算額は事件当時の相場基準であり、その後の相場で変わる。