Fed leaves rates unchanged for the 5th straight meeting
Fed votes 9-3 to hold benchmark rate in 3.50%-3.75% zone
Hammack, Kashkari, and Logan dissent in favor of rate hike
FRBは政策金利を3.50~3.75%に据え置いた。 昨年12月から5会合連続の据え置きで、2008年以降で最も長い停止だ。 採決は9対3だった。 反対した3人はいずれも0.25%ポイントの利上げを求めた。
金融政策の反対票は、たいてい緩和を求める側から出る。 景気が心配だから下げようという主張だ。 今回は3人とも向きが逆だった。 ベス・ハマック(クリーブランド)、ニール・カシュカリ(ミネアポリス)、ローリー・ローガン(ダラス)の3人はいずれも地区連銀の総裁で、利上げを求めた。 ワシントンの理事会からは反対票が出ていない。 引き締めを求める圧力は中心ではなく地区側から上がってきたことになる。
答えは声明文に書いてある。 物価が2%目標を上回っているのは、エネルギーなど一部部門の供給ショックも一因だとFRB自身が記した。 供給ショックとは、買い手が増えたのではなく物が足りなくて値段が上がる状態を指す。 金利を上げれば借入コストが高くなって需要は冷えるが、中東情勢で減った原油がそれで戻ってくるわけではない。 同じ物価の数字でも、原因を供給に見れば待つ側が正しく、人々の物価期待が固まったと見れば上げる側が正しい。
物価が目標を上回っている期間はすでに長い。人々の期待が固まる前に今上げるべきだ。
今回の物価は中東発のエネルギー供給ショックが押し上げたものだ。金利を上げても原油は増えない。
同じ一文を根拠にしながら、物価の原因をどこに置くかで票が割れた。
ケビン・ウォーシュ議長は会見で次の一手を示さなかった。 今日、政策金利を明示的に変えたか、いや変えていない、ただしそれは話の始まりであって終わりではないと思う、と述べた。 5年以上も目標を上回ってきた物価が、9週間で、あるいは1カ月物価が和らいだ程度で治ることはない、とも付け加えた。
「FRBが引き受けている」据え置き継続でウォーシュ議長が語ったこと (リアルエステート・ニュース, 2026-07-29)こうした姿勢をフォワードガイダンスをやめたという。 フォワードガイダンスとは、中央銀行が今後の金利の向きをあらかじめ市場に伝えてきた慣行だ。 それがなくなると、市場は会合当日まで自力で結果を織り込むしかなく、当てにいった資金が一方に偏っては巻き戻る動きを繰り返す。 決定当日のS&P500は取引時間中に3度も方向を変え、その間に動いた時価総額はおよそ2兆9000億ドルに上った。 政策金利は動かなかったのに、30年債利回りは5.2%を超えて2007年以来の高水準まで上がった。
FRB据え置き後、30年債利回りが2007年以来の高水準に (CNBC, 2026-07-29)
問いは結局ひとつだ。 今の物価は供給がつくったものか、それとも固まった期待がつくったものか。 エネルギーの供給ショックが収まっても物価が下りてこなければ利上げを求めた3人が正しかったことになり、原油が落ち着いて物価も下りてくれば待った9人が正しかったことになる。 その前に見える最初の合図は、9月の会合で利上げ側の反対票が4人以上に増えるかどうかだ。 政策金利は動かさなかったのに30年物の資金コストは2007年以来の高さになった。FRBが握っている取っ手は、見た目より短いということでもある。
採点待ち9月のFOMCで利上げが行われるか、利上げ側の反対票が4人以上に増えれば、利上げを求めた側が正しかったと採点する。