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31% VS 9%
The Kobeissi Letter (@KobeissiLetter) · 2026-08-02 · 原文: EN

4~6月期の上振れ率は過去最大の31%、ただし2社を除くと9%になる

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S&P500企業は2026年4~6月期にこれまでのところ、業績予想を平均+27%上回っており、数十年で最も強い四半期になる軌道にある。

ブルームバーグAIバリューチェーン指数は、それよりも大きい+71%で予想を上回っている。

The Kobeissi Letter · 2026.08.02 · 英語の原文より翻訳

米企業の4~6月期決算が、市場予想を大きく上回っている。 S&P500企業が実際に出した利益は市場予想を31.4%上回り、ファクトセットが2008年に集計を始めて以来で最大の幅となった。 ところが同じ資料のすぐ次の箇所に、但し書きが付いている。 アルファベットとアマゾンの2社を除くと、この数字は9.2%まで下がる。

S&P 500 決算シーズン・アップデート 2026年7月31日 (ファクトセット, 2026-07-31)
출처: insight.factset.com
決算発表を終えた企業S&P500の61%
上振れ率(全体)+31.4%
アルファベット・アマゾンを除く+9.2%

過去最大という記述は方向として正しい。ただし同じ資料は、その記録が2社の営業外利益から来ていると併記しており、2社を除けば9.2%になる。9.2%も過去平均より高いが、「数十年で最も強い四半期」とは別の話だ。

2026-08-03取得 · FactSet Earnings Insight(2026-07-31、発表完了61%時点)

その2社で何が起きたのか

2社が計上した利益の大きな部分は、物を売って稼いだ金ではない。 保有していた出資分の帳簿価格が上がったものだ。 まだ売っていない資産の値段が上がると、その差額をその四半期の利益として計上する決まりになっている。これを評価益という。 現金は1ドルも入っていないのに、純利益の数字は大きくなる。会計のルールがそう書くよう定めているからだ。 家に掛けた絵の値段が上がっても、その年の給料が増えたわけではない。それでも企業会計は、その上昇分をその年の利益欄に書き込む。 アマゾンはアンソロピック出資分から、税引き前で534億ドルをこの形で利益に乗せた。 同じ四半期の営業利益は274億ドルだった。営業で稼いだ分より、出資分の値上がりの方が2倍近く大きかったということだ。

アマゾンの2,000億ドル四半期: 広告、AWS、そしてアンソロピック評価益 (デジタル・アプライド, 2026-07-31)
출처: digitalapplied.com

アルファベットも構造は同じだ。 先に扱ったカードで確認した通り、アルファベットの税引き前評価益は990億ドルで、スペースXとアンソロピックの出資分から出ている。 2社が値上がりを計上した出資先のうち、アンソロピックが重なる。

では「AI企業の前例なき決算」は正しいのか

半分は正しい。 半導体やクラウドのように、AI需要を実際の売上として受け取った企業の決算は今期も好調だった。 ただし指数全体の上振れ記録を作ったのは、その側ではない。 AI企業の出資分を持っていた2社の帳簿価格だった。

コベイシの読み

AIに晒された企業が前例のない決算を出している。予想を27%上回った上振れがその証拠だ。

VS
ファクトセット原資料の読み

記録の大半はアルファベット・アマゾンの営業外利益だ。2社を除けば9.2%で、高いとはいえ前例がないほどではない。

どちらの読みも、決算が良いという点では一致している。分かれるのは、その利益が製品を売って得たものか、保有するAI企業の出資分が高くなったという帳簿上の記録かという点だ。

では何で見分けるのか

結局、問いは一つだ。 今回の記録はAIが生んだ利益の大きさなのか、AI企業に付いた値段なのか。 見分ける場所は次の四半期の数字だ。 アンソロピックの企業価値が再び上がらなければ2社の今期の利益は繰り返されず、値段が下がれば同じルールが今度は逆方向に純利益を削る。 2社を除いた9.2%が次の四半期にも残っていれば、AI需要が実際の売上として入ってきているという読みが裏付けられる。 記録そのものは事実だ。ただし、その記録を作ったものの3分の2ほどは、売っていない出資分の値段だ。 同じルールで書き込まれた数字は、同じルールで消えることもある。

3行まとめ

その後どうなったか

採点待ち4~6月期の全社発表が終わった後のファクトセット最終集計で、アルファベット・アマゾンを除いた上振れ率が10%を超えればhit、下回ればmissとして採点する。

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